断食は長生きにつながる?

断食中のお腹

断食の最大の目的は、食べ過ぎによる体内の余分な栄養を取り除き、人間が本来持っている能力を最大限によびもどすことにあると、甲田博士はいいます。
この能力とは、病気を治す自己治癒力や免疫力です。

 

断食は、食物をいっさい断ち、補給をしないので、体は飢餓状態に追い込まれ、それが大きなストレスになります。そして、そのストレスにたいする反発力としてショック状態を引き起こします。

 

火事場の馬鹿力という例えがありますが、人間は窮地に追い込まれると、時として自分でも信じられない程の力を発揮します。

 

私たちの体の内部についても同様のことが言えるでしょう。
断食は私達の体にとって非合理なことです。非合理なことを行うと体は死に一歩近づくので、生きようとして体に反発力が沸いてきます。
その力が体質を変えるというのが、甲田博士が唱える理論です。

 

栄養の補給を完全に絶たれると、体内ではかつて経験したことがないほどの大きな変化が起こると言います。
「ふつうに食事を続けていると、あとからの補給が期待できるので、吸収できる栄養分を多少逃しても構いませんが、断食を行なっていると、次の補給が期待できません。そのため、体は胃腸に入ってきた食物を100パーセント近く吸収して、それを身に着けようと待ち構えるようになります」

 

こうして反撥力が働き、体の仕組みを大きく変動させます。つまり、体質改善がなされるわけで、その過程が様々な病気・症状を治す力(治癒力)となって現れるというのです。

 

次のような具体的な例を挙げて、甲田博士は説明を続けます。

 

「そのひとつとして、断食を行うと、ストレスに強くなることが分かっています。その理由として、ホルモンの司令塔である脳下垂体から、ストレスに対抗する物質が分泌されることが医学的に証明されています。自己治癒力が高まることも報告されています。

 

一日2食の少食療法は、いわば安全に実行できる半日断食です。例え病気があっても大半の人が問題なく行えます。

 

ただし、甲田博士によるとガンや心筋梗塞、脳梗塞、慢性腎炎、腎不全などで重篤な状態にある場合は専門医の指導のもとに行わなければならないと、助言しています。

 

理想の食事

 

「これらの病気にも一日2食の少食療法は効果がありますが、ひとりで行わない方が無難です。それ以外でも1食抜いただけでも胃がもたれたり、脱力感が強かったり、体重が目に見えて減ったりした場合は中止してください。胃下垂の人はこういった症状が現れることがよくあります。こういう人の場合、適正な指導者のもとで厳密に段階を踏んで行わなければなりません。また、不整脈や動悸が出た場合も中止しましょう」

 

健康になるほど少食になってくる

 

素朴な疑問ですが、一日2食の少食を実行して宿便が排泄されると、胃腸の状態もよくなるので、いっそう食欲が増すのではないでしょうか。

 

この疑問にたいして、甲田博士はつぎのように答えています。

 

「健康な胃腸になると、何を食べても美味しく、食べようと思えば一度に2食分くらいでも食べられます。しかしそれでは栄養過剰になり、太ってくるので結局いろいろな病気を引き起こす原因になってしまいます。しかし、消化吸収率も上昇するいので、以前よりも少ない食事で十分に活動できる体ができあがります。ですから、健康になるほど少食になってくるのが本当のありうようなのです」

 

一日断食のススメと実践の注意

一日2食の少食療法はいわば半日の断食ですが、もうひとつ、家庭でできる手軽で安全な健康法に一日断食があります。
これは1週間のうち一日だけ、いっさい食事をとらない断食法です・一日2食の少食療法と併用すると、さらに病気になりにくい丈夫な体になると、甲田博士はいいます。

 

「業種によっては一日2食の少食療法はできない場合もあるでしょうが、そういう人は定期的に一日断食をするとよいでしょう。」
つぎに一日断食の注意と達成のコツを挙げておきます。